個展 月はどこまでついてくるのか

個展 月はどこまでついてくるのか

2013.4.8 – 4.13 表参道画廊

照明器具で月を投影する試み《Planet of Yourself》のコンセプトをより深め、複数のバリエーション作品を展示。照明の月に時間軸を与えるために、過去の展示においてもプロジェクションした映像の中に投影をしていたが、本展では月と映像を分離させ展示。独立した映像に《Tide》とタイトルを付けた。

DM掲載文

「月はなぜついてくるのか」という幼少の頃の問いに対し、私達は「とても遠くにあるから」という解を得た。しかし、どうも腑に落ちない。あのしつこさは、本当に物理の問題だけだろうか。 今でこそ間違いだったとされている「天動説」も、当時の人々にとっては真実であり、確かに世界全体の方こそが回転していた。このように、人は想像によっていかようにも宇宙をつくりかえることができる。それは私たちがあくまで、自らが内面につくりだした宇宙の中で生活しているからである。 月も、その内面で運行しているものである。月が私たちの小さな宇宙の内部にまでついてくる様相を、映像や照明の投影による複数のインスタレーション作品によって観察する。

シガツアート展記録集掲載文

この個展は「月はどこまでついてくるのか」と題し開催しました。しかし、幼少期の素朴な疑問を懐古したいわけではありません。月が人々にこれほど印象的に認識されている理由が、物理的に恒久性のある存在というだけでなく、気に入ったものを自分の意識の中に確固として構築し、出会う度にそれを反芻し印象を強化するという記憶の構造のためである、ということを再確認するためでした。そしてその反芻は、人にとって真に平和な瞬間であると考えています。

また、「シガツアート展」と題し、近隣で同時期に複数の作家が展示を行った。